河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

気息奄々

    
                                 四 字 熟 語


                                気息奄々 (きそくえんえん


炎天下で運動すると、もうフラフラになる。猛暑のもと、立ってるだけでもつらい。そんな真夏の季節が近づいてきたが、息がきれ、息も絶え絶えという、今にも死にそうな苦しい状態を、気息奄々という。奄は、おおう、ふさぐという意味だ。

 

慣れないマラソンでやっとゴールインしたものの、もう気息奄々でお恥ずかしい、などと自嘲をこめて使うこともあれば、転じてこれを事業にあてはめ、「我が社は急激な円高で気息奄々です。」というように、経営が非常に苦しい時にも使う。

 

この四字熟語も元とはいえば、中国から来た。「気息奄々、人命危浅」の文字が古書に見える。物事が大変で苦しい状態とか、今にも滅亡しそうな寸前の状態とか、昔は幅広く使ったらしいが、最近は年配者の会話でたまに聞かれる程度だ。
「ウチは育ち盛りの中学生に教育費のかかる高校生に大学生でしょう。それにローンもあるから、もう我が家の経済は気息奄々ですよ。」というのも悪くないが、それより簡単明瞭に、「お台所は火の車」とでも言う方がわかりいいだろう。