河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

 先憂後楽


    
                                       四 字 熟 語


                                    先憂後楽 (せんゆうこうらく


宋の時代から中国で為政者の心構えとして使われる言葉に、「天下の憂いに先立って憂え、天下の楽しみに後れて楽しむ」、これがあまりにも有名となり、現在でも人の上に立つ者はこうでなくてはいけない、とされる。

 

世の中の人が憂うる前に自分が憂え、楽しみは世人の後でいい、自分の楽しみは後回しにしてまず困難で苦しいことを先に片付ける、これが先憂後楽であるが、日常的にはイヤなことを先にやってあとで楽しようという意味に使われることが多く、為政者の心構えではなくなってしまった。

 

「昔の政治家は偉かったね、先憂後楽だった。今の連中は何だい。自分の利益だけ考えて国民の利益を後回しにする連中ばかりじゃないか」、こんな世論が日本全国に満ち満ちているが、天下の憂いに先立って憂える政治家だって少なくない。国民やマスゴミがそういう面を評価しないで政治家の悪徳ぶりだけを誇張して槍玉にあげるのは、結局自分たちの首をしめることになるのではなかろうか。