河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

有為転変

      
                                  四 字 熟 語


                                有為転変 (ういてんぺん


歌舞伎や時代劇などで度々聞くセリフに「有為転変は世の習い」、これだけで説明不要、客はわかってしまう。もともと有為は梵語(サンスクリット)から出た語で、この世の現象や存在は因縁の絡み合いから生じた、だから瞬時もとどまることなく移り変わっていくというような意味だったが、普通、会話などで使う場合は、世の中の移り変わりは運命的だ、いつしか自分に都合が悪くなってしまった、世の中は無常だね、はかないね、そんな嘆きを込める。万事自分に好都合で変化した時などは、有為転変を口にしないようだ。

 

文学上ではそんな情緒を排し、客観的に人生の移ろいやすく変化するさまを題材にするので、有為転変には喜び、悲しみ、驚きなどが込められてそこが読者の限りない興味をそそる。耳に響きがいい言葉なのでこれからも使用頻度が高いだろう。
類似語として、有為無常もあるが、諸行無常のほうがわかりやすく、馴染みやすい。
これは、この世の一切のことが常に変転や生滅を繰り返すという意味である。