河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

誠心誠意


                                    四 字 熟 語


                                        誠 心 誠 意   


           誠という字が、日本人は好きだ。   

 「至誠、天に通ず」とか、「至誠、神を動かす」とか、昔はよく聞いたものだ。この誠が二つ重なったのだから、誠心誠意は使って効果大の言葉といえるだろう。誠心も誠意もほとんど同じだ、真心のこと。偽りのない、正直で真面目な、真実で正しい、そういう最大級の美しい形容で飾られるような心の持ち主がいるかどうかは別にして、少なくともそういう気持ちで相手に接することを、「誠心誠意お仕えいたします」と表現する。

照れもせずこれが言えるようでないと、日本の人脈社会は生きにくい。相手だって、キザだな、オーバーだな、とわかっていても、誠心誠意の四文字を持ちだされたら悪い気はしないだろう。  誠はもともと儒教道徳の要で、中国の古典にしばしば出てくる。
「誠は天の道なり、これを誠にするは人の道なり」と『中庸』にあるように、誠そのものは天地自然の道理で、その誠を表現し実現するのが人間である、この様に儒教は教えた。
それが現代にも生きているわけだが、やや形骸化したきらいはある。