四 字 熟 語
舌 先 三 寸
口先だけは達者で巧妙で調子よくごまかして相手をあしらう、そういう人を口舌の徒というが、舌先三寸はまさにこれ、実のともなわない上辺だけの弁舌を駆使する信用のおけぬイメージである。 「あいつは舌先三寸で世渡りををしやがる」 「舌先三寸で相手を言いくるめようとする態度がよくない」 などとよく使う。
口先三寸という表現もたまに聞くが、三寸ときたら口でなく舌でないと理屈にあわない。口だけで信用出来ない軽薄な人たちを口先オトコと言ったり、口は達者だが行動はそれほどでもない女性を口先オンナと言ったり、日常会話では舌よく口のほうが使われやすい。
舌の字でなくてはおさまらないのが、毒舌、筆舌、饒舌、舌戦、舌禍、など。舌を巻く、舌の根も乾かぬうちに、というフレーズもあるが、どれも使えば会話がいきいきしてくる。毒舌をわざとドクジタと言ったり、舌禍をシタワザと間違って読む芸能人が居るが、これはご愛嬌。商品の説明書に、 “舌代” と書いたモノを老舗などで見かけるが、これは口で言う代わりに簡単な文章にした紹介と宣伝の挨拶文のこと。
