四 字 熟 語
難 攻 不 落
相手は城だ。とりででもイイ。守りが堅固のため攻撃しにくくて容易に攻め落とせない、これが難攻不落である。転じて、対人関係にも使うようになった。いくら口説いてもだめ、頼んでもだめ、意思が堅くてこちらの望みどおりにならぬ、そういう手強い商売相手や人物などを、「難攻不落で手こずってるよ」と形容する。
男女関係でも「少々のことじゃ落ちない、したたかな女だ」と自分のことは棚に上げて相手の難攻不落ぶりを吹聴する男がいるが、女性を城に見立ててこの表現を使うケースは、この頃激減した。落とす、落ちるという言い方が良くないせいだろう。
ビジネス社会では、手強い交渉相手に対して今でもこれを使う。「あの人を陥落させれば、商談は成立するんだ。難攻不落といわれたって、しょせんは人間だよ、カネと酒と女で攻めリゃ、必ず落ちる」などと社内で謀議をこらす営業マンもいるに違いない。
こういう商慣習は古くなったととはいえ、古今東西の商人道を見る限り、絶滅することは無さそうだ。
