四 字 熟 語
無 為 無 策
無はマイナスのイメージが強いから、悪口や批判にこの四字熟語を使うと便利である。具体的にあれこれ言わずとも、ズバリ、無為無策とこきおろせば、なんとなく誰もが納得してくれるからだ。 「政府の無為無策ぶりは何だい! 無為無策の総理にはあきれ返るね」ワンパターンのフレーズながら、必要な時にすら何の対策もなく手をこまねいてただ見ているだけ、そんな無能ぶりを無為無策と決め付ける。
もっと悪口を言いたければ、無為無策に続けて、無能無気力無知無学無教養無反省、これだけ言えば胸のつかえが降りるもの? 同時にこっちも空しくなる。しょせん悪口や批判は天にツバするようなものだから、ほどほどしておくほうがいい。
無という字をプラスに使う例としては、仏教の「無一物中無尽蔵」がある。解説するまでもなかろう。今は亡きオヤジがこの名言を私のために色紙に書いてくれた。これが私の社会人のスタートであったが、ついにこの境地には至らなかった。
禅語「無一物中無尽蔵(むいちもつちゅうむじんぞう)」
その意味は、人は生きていくなかで、物やお金、あるいは社会的地位など、さまざまなものを手に入れ、自分のものだと思い込みます。そうすると失いたくないという執着が生まれます。手に入れたものを失う不安が、あなたの心に余計な苦しみを生みます。
生まれた時は、何も持っていなかった。だから、手にしたものに執着せず、捨て去れば、無駄な心配事はなくなり、心に余裕が生まれます。心の余裕は、あらゆるものを受け入れる寛容性、さらに慈悲の種子が芽生えます。これこそがもともとのいのちをいきるを智慧になります。智慧は暮らしをより穏やかなものにしてくれるでしょう。