四 字 熟 語
巧 言 令 色
「あいつは巧言令色だからな」といわれたら、信用できない、相手にしたくない、という批判否定の意味になる。巧言は実のともなわぬ口先だけの綺麗ごと、令色は顔の表情をよくする意で、相手に気に入られる様に言葉をうまく飾り表情をうまくつくろって相手の気を引く、これが巧言令色だ。
『論語』では孔子の教えとして、「巧言令色鮮(すくな)し仁」とバッサリ斬り、「剛毅木訥(意思強固で飾りけなく無口なこと)は仁に近し」という。儒教が信奉されて以来いまだに日本では、言葉や顔色で人に媚びへつらう輩を軽蔑している。
しかし、口下手で表情に乏しい日本人はたしかに巧言令色を嫌うが、ほどほどに抑えた巧言令色は外国人とつきあうには絶対必要だ。
巧みな言い回し、上手な表現、生き生きした表情、人間らしさの溢れた顔つき、どれも人付き合いには欠かせない。国際社会の会話術としては巧言令色をもっと評価してもいいと思う。