河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

一視同仁

 
                                     四字熟語


                           一視同仁  (いっしどうじん)


   手っとり早くいえば、差別待遇をしないこと、これが一視同仁である。
全ての人を分けへだてなく平等に愛し慈しむ、これはなかなか出来ることではない。
中国の古書にも、「是故聖人 一視而同仁」とあるように、全ての人を平等に扱い同じような仁愛をほどこす一視同仁の態度は、聖人でなくては不可能ともいえる。この四字熟語が日常会話であまり使われないのも、そんな背景があるのかも知れない。

 

もっとも「仁」そのものも易しくはない。仁とはなにか。仁は孔子の思想の基本だが、論語』によれば、慈しみ、思いやり、哀れみなどのイメージで、「巧言令色少なし仁」、「剛毅木訥は仁に近し」というやや対照的な二つのフレーズはあまりにも有名である。

 

仁という言葉を会話で使う人はほとんどいないが、病院なら全国至る所で見かけるのではないか。同仁病院、仁愛病院など昔ながらのいかにも病院らしいネーミングだ。
この仁が孔子の教えであり、一視同仁が儒教の考え方であることも今は忘れられている。