河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

「大寒」


           寒さ厳しい「大寒」。
             雪の下から「蕗の薹」が顔を出す頃

 


1月20日大寒。冷え込みも厳しく、最も寒い頃です。
大寒二十四節気の最後の節気で、ここを乗り切れば春ももうすぐです。
昔は1月20日を「二十日正月」といい、正月の祝い納めをする日で、鏡開きも20日に行っていました。徳川三代将軍・徳川家光が慶安4年4月20日に亡くなったため、月命日の20日を避けて11日に鏡開きをするようになったといわれています。

 

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また、「寒稽古」や「寒中水泳」が行われるのも今頃で、寒さに耐え、精神を鍛えるという日本人ならではの精神修養です。寒さが骨身にしみるなか、この寒気を利用して、凍り豆腐や寒天、酒、味噌、醤油などの仕込みも行われます。一年で最も気温が低く雑菌が繁殖しにくいこの時季の水は「寒の水」と呼ばれ、酒や醤油の「寒仕込み」に使われてきました。暮らしの知恵ですね。

 

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そんな中、七十二候では「款冬華(ふきのはなさく)」になります。雪の下から蕗の薹(ふきのとう)が顔を出す頃です。香りが強くほろ苦い蕗の薹は、早春の味。先日、近所のスーパーの店頭に並んでいるのを見つけました。日本原産の野菜で、天ぷらにしたり、刻んで味噌とあえて蕗味噌にしたりすると美味しいですね。ほろ苦さが春の訪れを感じさせてくれます。

 

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「おしるこ」と「ぜんざい」


「おしるこ」と「ぜんざい」の違いは?

 

鏡開きの王道餅メニューといえば「お雑煮」ですが、「おしるこ」も定番です。「ぜんざい」も同じようにお餅と小豆餡を使っていますが、「おしるこ」と「ぜんざい」は何が違うのでしょうか。実は、関西と関東では区別の仕方が違うのでややこしい。関西は、粒餡で汁気のあるものが「ぜんざい」、こし餡で汁気があるものが「おしるこ」、汁気のない粒餡の場合は「亀山」などと呼びます。

 

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それに対して関東は、汁気があれば「おしるこ」で、粒餡でもこし餡でも「おしるこ」です。粒餡を使ったものを「田舎汁粉」などということもあります。「ぜんざい」は汁気がない餡にお餅や白玉を添えたものになります。この分類でいうと、粒餡で汁気のあるわが家の場合、関西風では「ぜんざい」、関東風では「田舎汁粉」ということになります。

 

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どんど焼き


        小正月は、どんど焼きで「正月事じまい」

 


1月15日は小正月
旧暦の1月15日は立春後の望月(もちづき:満月のこと)にあたり、大昔にこの日を正月としていたなごりで、元日を「大正月」、1月15日を「小正月」と呼ぶようになりました。大正月が年神様を迎える行事であるのに対して、小正月は豊作祈願や家庭的な行事が多いのが特徴です。

 

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紅白の餅を柳の枝につけた「餅花」(地域によっては「まゆ玉」)を稲の花を象徴する桜の花に見立てて飾り、豊作や繁栄を祈ります。松の内に忙しかった女性もようやく一息つけるので「女正月」とも呼ばれています。

 

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小正月には、正月飾りや書初めを焼く「左義長」や「どんど焼き」も行われます。この煙に乗って年神様がお帰りになるといわれており、これで正月行事も無事終了。この火で焼いた餅を食べると無病息災で過ごせる、煙に当たると健康になる、燃やした書き初めの火が高く上がると字が上達するともいわれています。

 

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また、1月16日から七十二候の「雉始雊(きじはじめてなく)」です。雄が雌への求愛のためにケーンケーンと甲高い声をあげて鳴き始める頃という意味です。雉は日本の国鳥。美しい羽根も尊ばれてきました。また、雉は春の季語にもなっており、妻や家族を思う気持ちの象徴として詠まれることが多いようです。

成人式


            成人式の晴れ姿「振り袖」の袖はなぜ長い?

 


令和2年は1月13日が成人の日(1月の第2月曜日)にあたります。
新成人の皆さま、ご家族の皆さま、おめでとうございます!成人式は「冠婚葬祭」ということばの「冠」にあたり、「元服」の儀式に由来します。もともとは小正月である1月15日に行われていました。

 

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自治体の行事である「成人式」は、地域によって開催時期はいろいろで、帰省で人が集まりやすいお正月やお盆に実施するところも多いですが、成人の日に実施する自治体では、華やかな振り袖姿の女性たちがたくさん見られることでしょう。でも、普段着物を着慣れないうえに長い袖に四苦八苦している女性もいますね。なぜあんなに袖が長いのでしょう。

 

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実は振り袖のルーツは飛鳥時代にさかのぼるといわれています。「振る」という動作には神様を呼び寄せる、厄を払うなどの呪術的な力があるとされ、「魂振り(たまふり)」(神様の魂を揺さぶること)と呼ばれていました。やがて、人に対しても思いや願いを伝えるために袖を振るようになり、若い女性は良縁を得るために袖を振り、その効果がより高まるようにと、袖が長くなっていったそうです。振り袖には婚活パワーを高めるという意味があったのですね!?

 

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さて、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正が成立し、2022年4月1日から施行されます。成人式については自治体の判断にゆだねられておりますが、現行通りと決定した自治体が増えているようです。

鏡開き


              「鏡開き」で無病息災。

 

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七十二候では、1月11日から「水泉動(しみずあたたかをふくむ)」に入ります。凍った泉の下で水が動き始める頃。かすかなあたたかさを愛おしく感じる時期です。

1月11日は「鏡開き」。お正月に年神様に供えた鏡餅を下げて食べ、無病息災を願う行事です。15日などに行う地域もありますが、これは松の内を何日までとするかによって違うようです。松の内を1月7日までとする地方では11日に、関西など松の内を15日とする地方では15日に鏡開きを行う場合が多いようです。

 

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鏡開きはもともと武家から始まった行事なので、刃物を使うのは切腹を連想させ禁物でした。木槌などを使って割るのですが、「割る」というのも縁起が悪いので、末広がりで縁起の良い「開く」を使って「鏡開き」となりました。

 

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「ままごと」


懐かしき「昭和」-18

 

                                             「ままごと」

 

「ままごと(飯事)」とは、幼児の遊びの一種。
「おままごと」ともいう。分類上はごっこ遊びの一種と考えられており、身の回り人間によって営まれる家庭を模した遊びである。参加する人を、お父さん、お母さん、赤ちゃん、ペットなど家族に見立てた役を振り分ける。そして、家の炊事・食事・洗濯・買物・接客等を模倣する。主に女の子の遊びとされる。

 

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「ままごと」の「まま」は、英語の「mama(母)」ではなく食事を意味する「飯(まま)」からきている。現在では、食事だけに限らず食事に至るまでの光景、食卓を中心とした家庭生活一般を含めた模倣も「ままごと」と呼ばれている。

 

小生などの世代は、幼少の頃から男女の住み分けが厳しく、幼馴染みの女の子に誘われる事が度々ありましたが「ままごと」に参加出来ませんでした。残念な想い出です。

今月の万葉集


                                                   2020年
                                              万 葉 集
                                         季 節 の 和 歌

 

                                    1月 睦月(むつき)の万葉集

                                                   新しき
                                                年の初めの
                                                  初春の
                                              今日降る雪の
                                              いやしけ吉事

                                                                   大伴家持

 

 

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            現代語訳
                 新しい 年の初めの
                正月の 今日降る雪のように
                もっと積もれ良いこと