河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

八紘一宇

        
                                  四 字 熟 語


                                八紘一宇 (はっこういちう)


最近はめったに聞かないが、大東亜戦争の当時は凄かった、どっちを向いても八紘一宇のオンパレード。我が国の一部の軍国主義が暴走し、世界制覇の野望のもとにこの四字熟語をスローガンとしたからだ。当時の青少年はひとり残らずこの言葉を頭に叩き込まれた。

 

意味がわかっていたかどうか疑わしいが、全世界を一家の様に統一し支配する、これが八紘一宇の思想である。八紘は四方と四隅の意で、天下のこと。地上のすべての方面で全世界のこと。宇は家ということだから一宇は一家である。戦時下にもてはやされた言葉だけに、イメージは決して良くない。

 

が、軍国主義に利用された不幸な歴史を忘れるならば、出典は遠く『日本書紀』にさかのぼる。原文を一部だけ抜粋すれば、「掩八紘面為宇」とある。すなわち「八紘をおおいて宇と為さん」。決して悪いイメージではない。なお類似の語として、四海兄弟、四海同胞なんてのもある。世界中の人たちみんなが兄弟のように仲良くする。同じ祖国を持つ人のように  一丸となる、という意味だ。