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融通無碍 (ゆうずうむげ)
融通がきくかきかないか、日本ではこれが人物評価をかなり左右し、融通のきく人のほうが重宝がられ、また好感を持たれる。融通のきかない代表は、お役人や教師や老人たちなどが通り相場になっているものの、お役人や教師なとが融通無碍であったらかえって困る。
融通は滞りのないスイスイした状態で通ること、無碍は障害障壁のないことだから、人の行動や考えかた、事の処し方が何物にもとらわれず、一定の枠にもはまらず、自由で伸び伸びとスムーズであること、これが融通無碍である。
「あの人は融通無碍で素晴らしい」と褒められたとしても、自由人である芸術家であるならそれで問題ないが、一般の人があまりに融通無碍であるのは、一面において無責任、非常識ともとられかねないから、肯定しにくい。
「婦人警官はダメだね、融通がきかなくて」という低い評価をよく聞くが、彼女らが法律通りでなく融通無碍に違反を処理したら、とんでもない無責任な行為でこれは許されない。融通無碍をいかにも望ましい美徳のように受け取るのは行き過ぎだ。