四 字 熟 語
眼 光 紙 背
人を見抜く目
眼光は目の光、それが紙の裏まで突き抜ける、すなわち書物や文章の表面の意味だけでなく、その裏側の深い意味や心の部分まで読み通してしまうこと、これを眼光紙背に徹す、または眼光紙背に徹るという。読解力の優秀にして鋭敏なることの例えで使われるが、大事なのは真理、真実を洞察する能力であって単なる裏読みではない。
現代の読書人は皮肉でいじわるな読み方を好む傾向があり、裏事情を推測しながらわざと素直な読み方をしないひねくれ者が少なくないが、これは眼光紙背に徹する連中とはいえない。もっとも最近の文章や書物は奥が深くないから、表面の意味がわかればそれで充分、紙背には何にもないから徹するに及ばずという見方もある。