四 字 熟 語
晴 耕 雨 読
晴れた日は田畑を耕し、雨の日は読書を楽しむ、これほど自由で優雅な生活があろうか。定年間近のサラリーマンの憧れが、晴耕雨読の第二の人生である。せめて家庭菜園でいい、作物を作って自然に親しみ、まとまった本を読んで心の糧とする。都会じゃ無理だが地方に引っ込めば何とかなる、と思いつつ定年を迎えるが、この夢を実現する人は少ない。
晴耕よりゴルフや釣りのほうがいいし、雨読よりテレビやレジャーのほうが楽で快い、こういう時代だし、刺激に慣れた都会人は夜が真っ暗な田舎には住めないからだ。
私の恩師や先輩の時代には、こういう生き方が可能だった。陶淵明の詩ではないが、「帰りなんいざ田園まさに蕪れんとなす」の心境で草案をかまえた人もいる。
だがご本人は訪れる人に曰く、「晴耕雨読の厳しさは出家よりつらい、晴耕雨読は知識人の甘い感傷にすぎない。」と。小生は、晴耕雨読の真似事をたまにヤルだけにしている。