河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

遺憾千万


                                     四 字 熟 語

           
                                          遺 憾 千 万

 

         日常生活でこれを使ったらお笑いぐさ。
大げさな上に誠意がない、と顰蹙を買う。公式の場で政治家やお役人などが、多用するのは、原稿に書かれた通りを読むからで、血の通わないセレモニー用語と思っていい。

無念で堪らない、非情に残念で悔しい、ただひたすら怨みが残る、そんな気持ちを表現するには、遺憾千万の四字熟語が便利なのはわかるが、手垢がつきすぎてしまった。

残念至極というのも同類で、時代劇のセリフなら生きもしようが、現代人には到底勧められない。遺憾だけならどうか。これは今でもしばしば耳にする。何か大事件のあるたびに責任者が記者会見で口にする常套語だ。沈痛な面持ちで、「遺憾であります」と言えば、それ以上ケチのつけようがないだけに、逃げの言葉としては重宝である。

国会用語として末永く残るだろう、「前向きに検討します」「可及的速やかに結論を出します」「慎重に善処します」「ご意見は謙虚に承ります」などと同様、一連の永田町フレーズであるが、欧米ではこういう言い方は通用しない。

 

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