河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

「楓蔦黄」


       七十二候「楓蔦黄」。   平安貴族も楽しんだ「紅葉狩り

 

11月2日から七十二候では「楓蔦黄(もみじつたきばむ)」になります。晩秋を彩る山々が美しく紅葉する季節です。平安時代、貴族の間では紅葉見物が流行り、それが「紅葉狩り」の始まりといわれています。「狩る」といっても「紅葉狩り」とは紅葉を観賞すること。狩猟をしない貴族の間では、草木を眺め自然を愛でることを狩りに例えたといわれています。

 

f:id:bkawahara:20191104110236j:plain

 

秋も深まり各地で紅葉の便りが聞かれるようになりました。気象庁では、全国の気象官署で統一した基準によって、かえで、いちょうが紅(黄)葉した日などを発表しています。標本木を観察することで、季節の遅れ進みや気候の違いなどを把握することができ、また、生活情報のひとつとしても利用されています。

 

 

f:id:bkawahara:20191104110315j:plain

 

日本だけではなく他の国々でも紅葉は見られますが、落葉樹林がまとまっているのは、東アジアの沿岸部と北アメリカ大陸の東部、ヨーロッパの一部にすぎません。地球の3割程が森林ですが、一番面積が広いのはロシア・アラスカ・カナダなどに広がる針葉樹林。次に広いのはジャングルなどの熱帯雨林です。

それに対して日本は、国土のおよそ7割が森林でさまざまな落葉樹が生えていますし、寒暖の差がありますから、いたるところで美しい紅葉を楽しむことができます。
日本の紅葉がとりわけ美しいといわれているのは、日本の気候風土のなせる技なのです。