昭和のあの頃
過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
それによって、心に喜びを感じさせる。
不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。
その4 火吹き竹
火吹き竹というものがある。
30㎝程度の竹筒の節を抜いてパイプ状にしたもので、昔はかまどの火を起こすのに使った。現在でもキャンプ用品として売られているが、新聞紙を丸めたものも含めて、多くの人が火吹き竹の使い方を間違っている。古い生活習慣を知らない人はもちろん、映画など、時代考証をしているはずの場面でも、正しく使っているところを見たことがない。たいてい口にまっすぐに当てて、口と入り口に隙間がないようにして、思い切り吹き込んでいるが、やってみたことのある人ならわかるだろうが、これはほとんど風が出ないし、数秒で息がきれてしまったはずだ。正しくは次のようにする。
筒は口から斜めに構え、口に直接触れずに隙間を作るようにする。そして口をすぼめ、離れたところから息を吹き込むようにすると、内部で渦巻きながら回りの空気を巻き込んで、出口では、吹き込んだ以上の量の空気が吹き出る。
息は細く吹き込めばいいので、数十秒間息継ぎ無しで吹き続けることができ、薪にちょっとでも赤くなった所があれば、そこから火がごうごうと燃え上がっていく。別に竹でなくても、新聞紙をまるめたもので十分だ。機会があれば試してみて欲しい。全然効率が違う。