河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

「牡丹華」


                 百花の王、牡丹の咲き誇る頃


4月29日は「昭和の日」。2007年に祝日法により『激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす』という趣旨で「昭和の日」と制定されました。

また、七十二候では「牡丹華(ぼたんはなさく)」になります。花々が咲き乱れる中、「百花の王」といわれる牡丹の花が開花する頃。華やかなその姿で、美人の例えにもなっています。「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という言葉です。

 

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■立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹、歩く姿は百合の花

 

・立てば芍薬
芍薬は、すらりと伸びた茎の先端に美しい花を咲かせます。その香りもたおやかなので、姿も香りも、まさにすらっとした美しい女性そのものといえます。フランスでは、しなやかでさわやかな香りのするワインを「芍薬のような香り」というそうです。

 

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・座れば牡
牡丹も芍薬も同じボタン科なので、花自体はよく似ていますが、芍薬は花で牡丹は木です。その違いから、牡丹は枝分かれした横向きの枝に花をつけるため、まるで座っているかのように見え、鑑賞するときも座って鑑賞したほうがきれいに見えるのです。
中国では花の王と呼ばれ、華やかさの象徴とされています。

 

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・歩く姿は百合の花
百合は、しなやかな茎の先にややうつむき加減に花が咲くので、風を受けて揺れる様子を女性が優美に歩く姿に例えています。
その甘い香りは香水としても人気があります。

 

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さらにこの3つの花はリレーするかのように順番に咲いていきます。
牡丹は4月末から5月の初め、芍薬が5月中旬から6月末、そして百合が6月から8月。それは座っていた美人が、すっと立ち上がり、歩き出すという流れそのものです。
容姿だけでなく、立ち居振舞いも美しい、そんな美人を表しているようです。