河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

 極楽浄土

   
                                     四 字 熟 語


                              極楽浄土 (ごくらくじょうど)
                                 

       お盆も過ぎ去ったこの時期、仏教くさい言葉を取り上げる。
極楽という言葉は、地獄とともに日常ふんだんに使われるが、極楽浄土となると、極楽になんとなく権威がつく感じだ。一切の苦しみから解放され、全てが満ち足りた理想の世界が、仏教でいう極楽浄土である

 

人はみな死んで地獄なんぞに墜ちたくない、極楽で安らかに憩いたいと思うが、死後の世界に極楽や地獄が実在するのかどうか、それは生ある者の知る由もないことだ。
あくまで仏教の教えるところでは、十万億の仏土の彼方に広大無辺の理想郷があって、そこが極楽ということになっている。

 

さればこそ、「厭離穢土、欣求浄土」という言葉に重みがつく。どちらも四字熟語といえばいえるが、煩悩に汚れた人間界を嫌い、そこを離れることを厭離穢土といい、そして極楽浄土を願い求めることが欣求浄土である。人間の永遠なる願望といえるだろう。
なお極楽という言葉は仏教を離れて、きわめて安楽な身分という意味でも使われ、“極楽とんぼ”なんていう使い方もある。