四 字 熟 語
跳梁跋扈 (ちょうりょうばっこ)
好ましくない連中が跳ね回り躍り出ることが跳梁跋扈である。
悪党どもが善良な人々を踏みにじって思いのままに振る舞えば、まさにこれは跳梁跋扈という形容にぴったりだし、嫌われ者たちが我が物顔にのさばって周囲のひんしゅくを買う、こういう状態ももまた跳梁跋扈である。
大江戸八百八町の夜をお上を恐れぬ怪盗凶盗の輩が跳梁跋扈すればこそ、鬼平こと長谷川平蔵の活躍があるわけだし、おなじみ銭形平次の出番もあるってものだ。
この字もまた難しいから、会話でもあまり聞かないし、文章でもたまにしかお目にかかれない。平仮名に直して使うほど応用範囲も広くないので段々影が薄くなっていきそうだ。
本来好ましからざる者専用の言葉だから、百鬼夜行などと同じくむしろ消滅したほうがいいのだろう。「政界には巨悪小悪が跳梁跋扈しておるではないか」と決まり文句で吠える評論家もいるが、耳に強く響くわりに内容が空疎に感じられないでもない。
時代劇のの世界でのみ元気ののいい言葉である。