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不 即 不 離
つかず離れず、という関係を不即不離という。二つのものが、つきすぎもしない離れすぎもしない、ほどよい距離の関係を保ちながら、共存すること、これが不即不離である。人付き合いの鉄則はつかず離れずだ、といわれるが、人間はとかくあまりにくっつきすぎると、お互いのアラが見えて文句も出てくる。
家族だってその通りで、実の親子といえどもある程度の距離を保つ必要がある。まして嫁と姑の関係に至ってはただでさえギクシャクするのが常識だから、「ここはお互い干渉せず深入りせず不即不離でうまくやってほしいね。」などと年長者がよくアドバイスする。友人関係もあまりに仲がよすぎると、こわれた時の反動がおそろしい。
つかず離れずは年長者が教える処世術の一つだ。
不即不離は人間関係だけにとどまらず、政治経済の用語としても使う。財界は政治と不即不離が望ましいとか、国と地方自治は不即不離の関係だという。なお、相即不離という言葉もあって、二つのものが溶け合って切り離せない密接な関係のことだ。