四 字 熟 語
感 慨 無 量
感無量ともいう。 無量だから、量り知れないほどの、どれだけ深いかどれだけ多いか、言葉では言い尽くせないほどの感銘を感慨無量という。何十年ぶりかで初恋の人に出会ったら、たとえお互いが初老でも、感慨無量だろう。戦争で苦楽を共にした戦友に偶然再会し、男どうしが抱き合ったまま感慨無量だったという話も聞く。
身近な出来事でも、苦労して賞を取った、資格試験に受かった、生死の境をさまよった子供の命が奇跡的に助かった、いい芝居を見た、行方不明の息子の居所がわかった、これらは誰にとっても感慨無量の場面にちがいない。
千万無量というのもあるが、これは数量が数え量りきれないほど多いこと。感激や感動の場面でこれを使うなら、「千万無量の思いを胸に秘めて」とでもいわないと、言語明瞭意味不明。千万無量だけだど、数量の多い意味だけで終わってしまう。最近は千万無量もめったに使われないし、感慨無量もむしろ感無量のほうが簡潔で日常会話になじむように思われる。