四 字 熟 語
多 士 済 々
士はサムライ、人物人材のこと。「我が社は多士済々だから強い」と上役が自慢したら、その中に自分も入ってると自惚れてよい。有能な人物や人材が豊富に沢山居ることをいう。たまに、タシサイサイと使う人が居るが、間違いてはない。中国の古典からきた四字熟語であるが、会話でも文章でも広く使われる。
「我が社の新人たち、人数だけは多いが、どうも多士済々というわけにはいかん、どれも平々凡々、無色透明、意志薄弱で困っているんだ」と大企業の管理職の友人がこぼす場面にぶつかった。アラ探しをすれば、新入社員なんて初めはみんなこんなものだから、こぼす上役こそ自分の新人時代を振り返ってみろと、言ってやった。
「ウチの部長の情けない姿を見ちゃったよ」と部下だって見るべきところは見ていることを上役連中は知っているかな。「部長のやつ、年中社長にペコペコ胡麻すってさ、この間なんか社長の電話に平身低頭だぜ。受話器に10回もお辞儀してやがんの」ここまで言われたら部長も形無しだ。新人批判もほどほどに。