四 字 熟 語
才 色 兼 備
才色は才知と容色、つまり才能と容貌のことだから、才色兼備は最高に近い褒め言葉だが、残念ながら男には使わない。女性が優れた才能を持ち、なおかつ美人である、二つとも兼ね備えた人は珍しいという感じで、主に結婚披露宴のスピーチなどで濫用される気味があるので、当人は褒めたつもりでも、聴衆はお世辞、外交辞令とわかっているから誰も本気に受け取らない、そういう使われ方が当たり前の言葉に何時の間にかなってしまった。
テレビの女性アナウンサーのキャッチフレーズに、美人アナというのがある。こうなると、まさに才色兼備だが、ではほかの女性アナは美人ではないのか、という疑問も残る。ましてや才色兼備というフレコミの美人アナが、意外や教養貧しく漢字に弱いとあっちゃ、看板に偽りありではないか。
次は何れも実例だか、泥酔をドロヨイと読んだ、冷奴をレイドと読んだ、茶店をサテンと読んだ。じゃ “能書家”をあなたはどう読むか? 美人アナは、ノーガキヤと言ってしまった。
正解は、ノウショカであることはご承知の通りである。