四 字 熟 語
清 廉 潔 白
「私は清廉潔白だ。何一つ後ろ暗いところはないし、良心に恥じるところもない」と大見得をきった直後にウソがばれる、政財界にはこういう事件がつきものだが、叩けば誰で少しはホコリが出るのは普通だから、自ら清廉潔白と自負する人は少ない。むしろ自己弁護に使われる時の方が多いだけに、折角の綺麗な四字熟語もやや汚れた感じである。
心や行いが清らかで私利私欲がなく、不正や後ろ暗さもなくて真っ白の身、これが清廉潔白だから、これは他人が評してくれてこそ値打ちがある。とはいえ疑惑が生じ、あらぬ噂が立てられた時には弁明に立ち上がらざるを得ないのが人間だから、「噂は事実無根だ。根も葉もない噂で迷惑している」と声を大にして潔白を主張する。
それが事実であるという根拠が全くない場合を事実無根というが、濡れ衣を着せられるのは不徳の致すところ、火のないところに煙は立たずで、自ら清廉潔白と称する人はウサンくさい、と思ってよいのでは………。