四 字 熟 語
同 床 異 夢
床はユカでなく寝床のトコ。同じ床(ベッド) に寝ていても二人の見る夢はちがう。転じて、同じ仲間同じ立場の同志でありながら、それぞれの思惑がちがい目標や考え方を異にしていることを、同床異夢という。
これを夫婦にあてはめれば、男女とも無我夢中でベッドも夢もいつまでも一つでありたいと願うものの、そうはいかない。初めての夜から同床異夢が始まり、めったに同床同夢なんてお目出度いことにはならない。結婚二十年ももたてば、まったくの同床異夢の関係だ。
いじわるくいえば、夫婦といえども死ぬまで理解しあえない別人格でであるのが当然で、「夫婦は一心同体」なんて格言も、現代では「夫婦は二心二体」といいかえなければ通用しない。そこまで露骨にいっちゃミもフタもないので、私などの結婚式のスピーチは「夫婦は一心同体、だがサイフは別」を常としている。
その昔、維新の志士が漏らしたという「枕を共にしても、計りがたきは女の心なり」は奥が深い。妻も恋人も女である。女性の心は、男にとって永遠の謎だ。