河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

一生懸命


                                      四 字 熟 語


                                          一 生 懸 命


これを一所懸命が正しい、と主張する人がいる。一生と一所とどちらが正しいのだろう。現在では、一生懸命と書くのが普通だ。命がけで真剣に骨を折る、一心に物事を行う、これが意味であることは説明するまでもなく、一生懸命勉強しなさい、一生懸命やれば何とかなる、といった使い方はごく日常的である。

 

だから「一所懸命と書いたら間違いだ」と思う人も少なくないが、実は一所懸命が変化して一生懸命となったのが語源的な真相だ。
一所懸命の一所は、一つの場所一つの土地といってもよいが、元々は中世の武士階級が主君に奉公する主従関係の中で、主君から賜った領地は命を懸けて守る義務と責任があった。そこを「一所懸命の地」といったことに由来する。

 

一所がいつのまにか疑似音の一生と混合され、一生懸命の方が正しいように思われてしまったが、同意同根語である。ほかに、一処懸命とわざと自分の好みで書く人もいるが、これは四字熟語の認知を受けていない。

 

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