一 汁 一 菜
『一汁一菜でよいという提案』
土井 善晴著
グラフィック社刊 Y1500-
著者について
土井善晴/料理研究家。1957年、日本の家庭料理の第一人者であった料理研究家・土井勝氏の次男として大阪市に生まれる。スイス、フランスでフランス料理を学び、帰国後は老舗の料理店・大阪「味吉兆」で日本料理を修業。土井勝料理学校勤務ののち、1992年に「おいしいもの研究所」を設立。以降、日本の伝統生活文化を現代に生かす術を提案。家庭料理を食の講演会、メディアを通して広く指導。レストラン等のプロデュースなど、活動の幅は多岐にわたる。
内容
食事はすべてのはじまり。大切なことは、一日一日、自分自身の心の置き場、心地よい場所に帰ってくる暮らしのリズムをつくること。その柱となるのが、一汁一菜という食事のスタイル。合理的な米の扱いと炊き方、具だくさんの味噌汁。
ご飯に味噌汁。良いですね。
手間をかけずに味噌と米の味を味わう。おかずはいらない。
日本人は昔からこうして生きてきた。肉だパンだチーズだケーキだと結局長生きすると
一汁一菜におちつく。味噌も私は麦味噌が大好きです。味噌に酢に砂糖で生のキュウリを頂くのも良し残り少ない人生を美味しいものを食べてと言っていた人がいたが
一汁一菜で慎ましく生きるのが理想です。
たまにはしょうが無いから寿司や焼き肉や鰻に行きますが。人生一汁一菜。
貴族ではないのに毎日貴族みたいな生活をしようとしている現代人。
ご飯はレトルトでプレミアムな惣菜と期間限定桜味の割高スタバ、コンビニ限定スイーツ、本当に私たちは満足してるんでしょうか?付加価値ばかりに目を向けて足元を見ませんか、というメッセージは衝撃でした。何でもない日が特別な日だと思わせたいのは企業が儲かるからなのかも知れません。
無理な背伸びはいけませんね。きちんと調理さてれ美しい茶碗に盛られたご飯と季節の野菜の入ったお味噌汁、その基礎的な生活基盤が強固なものだからこそ、一輪の生け花が美しく映えるんですね。素敵だと思いました。