昭和のあの頃
郷愁とは、過去の自分に会いにいくこと。
郷愁とは、かつての“純真目線”を取り戻すこと。
郷愁とは、沈みがちな“心を浮かせる浮き袋”。
郷愁とは、この世に1冊しかない“自分だけのアルバム”。
最終回にあたって
あの頃、ラジオはみんなで聴くものだった。テレビはみんなで見るものだった。遊びとは、缶蹴り、チャンバラ、ままごと、みんなで楽しむものだった。食事とは、一家が揃うものだった。買い物かごの中にある物は、食べる物も包装物も、全てが自然に還るものだった。
僕は、その何もかもが懐かしい。何もかもが無くなったから、余計にそれが懐かしい。
人間が人間らしく生きる為に必要なのは、心豊かな環境だろう。その環境が過去には有った。今は無い。せめてこの手に欲しいのは、安らかだった過去を笑って語り合える環境だろう。僕はそう思って、拙ブログ「昭和のあの頃」を書き始めた。それは自分だけではなく、友達の、ひいては同世代の方々のためになればいいなと思って書いていた。
忘却の中に眠っている過去を、一つでも二つでも呼び戻し、みんなの笑顔の糧として頂ければ嬉しいと思ったのだ。
そのブログも、「その50 アルマイト弁当箱」で最終回を迎えるに至った。読者の皆さんが同感してくれている事が、心強く嬉しく感じている。「昭和は、遠くなりにけり……」と云われるが、我々の中には、「良き昭和」が脈々と生き続けています。これからも「昭和」を語り合って行きたいと熱望しています。
2021年1月18日の書き始めから半年近く、ご愛読有り難う御座いました。 深謝。