河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

手押しポンプ井戸

 

                                      昭和のあの頃


                    過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
                       それによって、心に喜びを感じさせる。
                       不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。


            その49      手押しポンプ井戸

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手押しポンプ(ておしポンプ)は、手でハンドルを押し下げて水を吸い上げるポンプである。主に井戸で用いられるのが見かけられる。

浅井戸用ポンプでは、大気圧によって井戸水を吸上げる。ハンドルに連結されたピストンは本体内部を真空状態にする。そして、大気圧によって水が吸い上げられ、シリンダー内部に入ってくる。すなわち、理論上大気圧である1気圧分の10メートルまで汲み上げることができる。実用上は、吸込揚程は最大7-8メートルまでである。

 

昭和30年代後半、水道が普及するまでは、日本中のどこの家でも見られた。また、となりのトトロでメイとサツキがこの井戸で水を汲むシーンが有名になったため、「トトロの井戸ポンプ」の愛称で現在も親しまれている。 その後、次第に電動井戸ポンプに置き換わり、さらに、水道の普及によって、一般家庭では井戸が使用されなくなり、農事用以外ではあまり見かけなくなった。

 

しかしながら、阪神・淡路大震災以降、災害時の生活用水・雑用水の確保に大いに役立ち見直されるようになり、各自治体によって災害手押しポンプ井戸登録も行われている。公園や公共施設にも多く設置されるようになった。現在でも寺院の墓地の水汲み用の井戸として使われることが多い。

 

水道の蛇口と違って水が出しっぱなしになることがなく、震災時にも利用できること、風情があり子供への教育になることや、構造がシンプルであるため壊れにくく、メンテナンスが簡単であること……などがメリットに挙げられる。