河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

バナナの叩き売り

 

                                          昭和のあの頃


                  過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
                       それによって、心に喜びを感じさせる。
                       不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。

           
               その47      バナナの叩き売り

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バナナの叩き売り(バナナのたたきうり)は、かつて露天商、的屋が行う、独特の口上を述べながら客を引き寄せてバナナを露天で売る手法(いわゆる啖呵売のひとつ)。
大正時代初期に福岡県門司市(現北九州市門司区)の門司港周辺で行われたのが発祥と言われている。

 

バナナの叩き売りの際には口上に加えて「バナちゃん節」と呼ばれる様々な歌を歌うのが特徴で、様々な歌詞の曲があるという。1950年(昭和25年)12月13日付け日本経済新聞では、新橋駅前で行われていたバナナの叩き売りを記事にしているが、すでに昭和25年の時点で「なつかしい」と表現している。口上次第で、客が市価の倍ぐらいで買い求めることも珍しくはなく、熟練の売り手には大道芸的な要素も含まれていた。

 

バナナの叩き売りとは関門地域で発展したと言われる競り売りでバナナを売る手法です。売り手が軽妙な口上を述べながら客を引き寄せ、高い価格から徐々に値を下げていくダッチ・オークション形式。口上を述べる人の横にはアシスタントがいて、料金を受け取ったり、購入した客に新聞紙にくるんだバナナを渡したりします。客を笑わせる節回しと、「サァ買うた!」「まだ高い!」「もっと負けて」などのアシスタントの合いの手が場を盛り上げます。

 

門司の叩き売りには、受け継いできた定番の口上が幾つかある。
「付くよ付くよと 何が付く 門司の港に船が着く お寺のお坊さん 鐘を突く 私は貴方にしがみ付く」「親を殴るはバチ当たり 腹が痛けりゃ食当たり こういう時にはこれ1本 食べりゃ痛みがすぐ止まる」。