昭和のあの頃
過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
それによって、心に喜びを感じさせる。
不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。
その46 自転車の三角乗り
自転車全体の年間生産台数は伸びているにも関わらず、昭和34年頃までは子ども車の生産台数の占める割合は12%前後で変化がなかった。また大手製造会社製の大人向けで14,000円〜28,000円という価格は公務員の初任給の1〜2ヶ月分に相当した。
したがって一般家庭では子ども用自転車を気軽に買い与えることは難しかった。そこでサドルに腰掛けて運転することが出来なかった大人用自転車を子どもたちが乗るために考えたのが三角乗りであった。当時はフレームの大半が三角形をしていたので、この三角形の中に右足を入れて、ペダルを半回転させながらなんとか前に進んだのである。不安定な乗り方なので転ぶことも多かった。
むかしの自転車でしか三角乗りは出来ません。
昔の自転車はフレームが頑丈に造られていて、地面と平行にハンドルからサドルまで一直線のパイプがありました。この頃は子供用自転車等なくて、子供も大きな自転車に乗っていましたが、一直線のパイプが邪魔をして子供はサドルに腰掛けることは出来ません。そこで、三角形のフレームに片足を突っ込み、自転車をやや斜めにして立ち漕ぎのようにして自転車に乗りました。これが所謂三角乗りです。