河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

氷冷蔵庫

 

                                     昭和のあの頃


                 過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
                     それによって、心に喜びを感じさせる。
                     不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。


                   その40    氷冷蔵庫

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氷冷蔵庫が、始めて作られたのは明治41年(1908)のことだそうです。

私の家では、昭和30年(1955)ごろに買った冷蔵庫は、上の小さな扉のなかに氷を入れて使った氷冷蔵庫でした。氷屋さんは、自転車の後ろにつけたリヤカーに氷をつんできて、家の前に着くと、大きなのこぎりでシャキシャキと切り、台所まで鉄の引き上げばさみで運んでくれました。今の電気冷蔵庫のように沢山のものを何日も保存することはできなかったそうです。

 

氷冷蔵庫は、上下に扉がある木製。上の扉に氷を入れ、下の扉に食品類を入れる。こうすることで湿った冷気が下に流れ、食品の冷蔵を保つという仕組み。効果は氷が溶けるまで。保存効果の短さを、それほど問題にしなかった時代であった。

 

その氷冷蔵庫、寿命は長くなかった。神武景気が白黒テレビ、電気洗濯機、電気冷蔵庫三種の神器時代」をもたらし、その影に隠れるように静かに消えたのである。