昭和のあの頃
過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
それによって、心に喜びを感じさせる。
不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。
その30 オブラート
オブラート(オランダ語: oblaat)とは、本来は丸い小型のウエハースに似た聖餅のこと(硬質オブラート)で、本来はキリスト教のミサで使用される丸くて軽い小型のウエハースに似たせんべいのことで薬の服用にも使用されていた。
ただし、日本では一般的にデンプンから作られる水に溶けやすい可食フィルム(軟質オブラート)のことを指す。軟質オブラートは日本で明治期に独自に発明されたもので英語ではeatable paperという。
オブラートは、苦い薬を包み込んで飲むためと、菓子類のベタつき防止用という二通りの目的で利用された。昔の薬は苦かったから常備薬を持つ家庭だと、ちゃぶ台から手の届くあたりに大抵オブラートの丸い容器が置かれていた。飲みやすい薬が開発されるに至り、最近では、薬用オブラートをあまり見ることがない。
身近なオブラートとして思い出されるのは、紅梅キャラメル。赤い包装箱で10粒入り10円。あまり美味しくもなかったが、中に巨人軍の選手カードが入っていて、ホジション毎の9枚と監督(水原茂)を揃えると、バットやグラブなど豪華賞品が貰えるとの触れ込み。しかし、水原監督のカードの出現率がやたらと低かった。買っても勝っても揃わないので、子供達の万引きが増えだした。特定カードの出現率の低さを公正取引委員会も問題にした。かくして紅梅キャラメルは6年で消えた。