河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

金魚売り


                                      昭和のあの頃


                 過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
                      それによって、心に喜びを感じさせる。
                      不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。


                      その18       金魚売り

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金魚売りとは

金魚売り(きんぎょうり)とは江戸時代後期に登場した金魚を売り歩く商人。またはその職業。夏の季語でもある。

夏の間、涼しい時間帯に天秤棒に提げたたらいの中に金魚を入れ、独特の甲高い売り声を上げながら街中をゆっくりとした足取りで売り歩いた。

金魚売りの多くは日銭を稼ぐために短期で勤めていたものらしく、冬になると扇の地紙売りなど別の仕事を請け負っていたようである。水の入ったタライを担ぐため意外に重労働であり、金魚売りの多くは若者であった。江戸時代後期には町人の間に金魚を観賞魚として飼育する習慣が広まり、金魚鉢(ガラス製の球形の水槽)に藻などを入れて飼育するようになった。

 

「きんぎょ~えっ、きんぎょっ。あぁ~、コイの子に、メダカの子」
30kgの桶を2つ1.3mの天秤棒で肩に担いで、伸びのある声で歩く熊本の浦島さん。昭和40年代まで、「金魚ふれ売り師」と呼ばれた人々は全国に1000人以上いたが、今では浦島義弘さん(80)一人になった。

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浦島さんを地元で知らぬ人はいない。近所の公園でひと節声をあげると、「あ、金魚のおじさんだ!」と、たちまち子供たちが取り囲む。「1人でも多くの子供たちに『金魚のふれ売り』という文化があることを知ってもらいたいですね」(浦島さん)
地域のイベントや小学校の課外授業に引っ張りだこの浦島さんは、「年をとる暇もない」と笑う。