河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

徳用型マッチ


                                       昭和のあの頃


                  過ぎ去った遠い日々に、思いを馳せる。
                       それによって、心に喜びを感じさせる。
                       不安なコロナ時代、良かったことを考えながら。

 

                   その10  徳用型マッチ

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徳用型マッチとは台所に置いてあったあの大箱マッチのことで、昭和4年から大同燐寸(兼松日産農林マッチ部の前身)が考案し作り始め今日に至っています。荒物屋やスーパーで売っているマッチが徳用型と並型(スタンダードサイズ)マッチです。

どこが徳用か
 徳用型マッチの1個に入っているマッチの本数は約800本、並型マッチ12個の本数は約500本、これが同値(現在の定価250円)で販売されています。従って約4割お得ということです。しかし今、安価なライターと比べれば、着火コストはお得ではありません。

使われ方
 徳用型マッチは台所のかまどのそばに置いてありました。従って台所の着火に使われたわけであります。一方ポケットサイズの並型は携帯用でありますから、この中身が減ると徳用型からマッチ棒を並型マッチ箱に詰めかえて使ったものです。70年以前の並型マッチは擦薬が箱の両側に塗ってあったのでマッチ箱としての再使用に充分耐えたのであります。

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今の状況
 昔は火鉢とか練炭があり、家の中にいつも火の気がある状態が普通でしたが、今は火の元が沢山あると「こわい」と感じるようです。昭和30年代の街並みがテーマになる昨今では、当時を再現するインテリアとして徳用型マッチが存在します。
つまりマッチは、ゆったりした時間を過ごしたいというスローライフを実践しているということの記号として存在するわけですから、携帯できることが商品要素となります。
それらの理由によって、ポケットサイズの並型マッチの方が使われていると考えられます。