お盆は先祖の霊の里帰り。
夕暮れに蜩の鳴く頃
8月12日から七十二候では「寒蝉鳴(ひぐらしなく/かんせんなく)」になります。
「寒蝉」とは秋を告げる蝉のことで、蜩(ひぐらし)が鳴き始めるという意味。蜩が「カナカナ・・・」と鳴くのは、日の出前や日の入り後など薄暗い時間帯。夕暮れに鳴くので「日暮し」と呼ばれるようになったそうです。
そして8月15日は月遅れのお盆。8月13日がお盆の入りとなります。お盆の慣わしは多様ですが、一般的には、盆棚を設え、お墓参りに行って、先祖の霊を招くために迎え火を焚きます。夕暮れの頃、玄関前や門前でオガラを燃やすのが迎え火。オガラとは麻の茎の皮をむいたもので、オガラの煙に乗って先祖がやってくるといわれています。まずは火を拝み、外から内へまたぐようにして家に入る風習もあります。
ちなみにオガラの灰をタンスに入れておくと、衣服に困らなくなるという言い伝えもあります。迎え火を焚く頃、どこからともなく聞こえる蜩の声は、ちょっと切なく聞こえます。