河原文翠の日々是好日

降っても 照っても 日日是好日。泣いても笑っても 今日が一番いい日。

秋の新蕎麦


    七十二候「金盞香」。  秋の新蕎麦がおいしい季節


11月17日から、七十二候では「金盞香(きんせんかさく)」になります。
「きんせんか」といっても、春に咲くキク科のキンセンカのことではなく、水仙をさします。「金盞」とは金の盃のことで、水仙の黄色い冠がまるで金の盃のようなので、こう呼ばれます。水仙が咲き芳香を放つ頃です。水仙は12月から2月頃が開花時期で、雪の中でも咲き始めるので「雪中花」とも呼ばれます。日本各地に群生地があり、私たちの目を楽しませてくれます。

 

f:id:bkawahara:20191116110143j:plain

 

さて、新蕎麦のおいしい季節です。
蕎麦は、産地によって夏から秋に収穫されます。いずれも収穫したては新蕎麦ですが、一般的に「新蕎麦」といえば、秋に収穫された蕎麦を指すことが多いようです。緑がかった美しい色で、香りも良い秋の新蕎麦は、江戸の頃から人気の品でした。保存方法が進化して、一年中新蕎麦のような良い蕎麦粉が手に入る今の時代になっても、やはり新物は人気があります。各地で新蕎麦まつりも開催されていますね。

「散れかしと思うは蕎麦の花ばかり」(古川柳)
江戸っ子の初物好きは「新蕎麦」にも発揮されていたようで、古い川柳にも表れています。