9月8日は二十四節気の「白露(はくろ)」。秋が深まり、草花に朝露がつきはじめる頃という意味です。七十二候では「草露白(くさのつゆしろし)」となり、草に降りた露が白く光って見える頃で、朝夕の涼しさが際立ってきます。本格的な秋の到来です。
さて、そんな清々しい草の露を用いた行事があります。それは9月9日「重陽の節供」の「被せ綿(きせわた)」です。
重陽の節供は五節供のひとつで、最大の陽数「9」が重なるおめでたい日として、不老長寿や繁栄を祈願しました。旧暦では菊の季節でもあったので「菊の節供」とも呼ばれています。被せ綿は、前の晩に菊に綿を被せておき、9日の朝、夜露と香りのしみこんだ綿で体を拭いて不老長寿を願う重陽の節供を象徴する行事です。
■秋の七草の由来
一般的には、万葉の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)が二首の歌に詠んだことから、日本の秋を代表する草花として親しまれるようになったとされています。
■秋の七草(写真の順)
【萩】(ハギ) 【桔梗】(キキョウ) 【葛】(クズ) 【藤袴】(フジバカマ)【女郎花】(オミナエシ) 【尾花】(オバナ) 【撫子】(ナデシコ)
「秋の七草」が可憐な花を咲かせる季節です。「春の七草」は食べられますが、秋の七草は鑑賞するものですね。